marthe

♡ 50代主婦の周辺 ♡

独居老人

残った唯一の棚とリネンを見ると気持ちが整います。地震があって以来、母や姉の遺品は処分しました。小さいものだけ残しておきます。



独居老人だった永井荷風の日記を読んでいます。自分のためです。気ままで自由な暮らしは居心地が良さそうですが、さすがに戦中は心細かったようです。でも、そこは荷風なので援助してくれる人はいました。東京で空襲に遭い、疎開先の岡山でも空襲に遭っています。岡山の谷崎潤一郎の家で牛肉を食べています。谷崎家は凄いです。谷崎は文壇で荷風に認められたこともあり、恩を感じていたらしいのです。谷崎家に現れたときの荷風が首に巻いていた茶色の手ぬぐいが気になって仕方が無いです。


お菓子は好きな人と食べ、余ったら腐らせる荷風でした。なかなかできることじゃないです。凡人はつい誰かにあげてしまいます。晩年の荷風はだらしがない風貌だったと誰かが書いていました。立て続けに空襲に遭ったので神経症にかかったようです。歯がものすごく汚かったらしいです。