彼のように世界が見れたら
感情に流されない男フィリップ・マーロウ。
彼のように世界が見れたらメンタルも鍛えられそうです。
選ぶのに苦労しましたが、印象に残った名文を挙げてみました。
●金髪の女。僧正がステンドグラスの窓を蹴破りたくなるような豪勢なブロンドだ。
●「背が高いのね」と、彼女は言った。「僕のせいじゃない」
●バーのスツールには哀れな男が一人座り、バーテンダーに話しかけていた。バーテンダーはグラスを磨きながら、とってつけたような笑みを浮かべている。叫びだしたいのをじっと我慢している人間の顔だ。
●長い指は死にかけた蝶のような動きを見せていた。
●「君は一風変わったユーモアのセンスをもっているようだ」と彼は言った。「とくに変わってはいません」と私は言った。「遠慮がないだけです」
●「あの男は俺に何も言わずにどっかに行っちまえた」、彼は思案深げにそう言った。「あんたの文法は」と私は言った。「かつらに劣らずゆるいんじゃないか」
●「だいたいヘミングウェイって誰なんだ?」「おんなじことを何度も何度も繰り返して言うやつだ。そのうちそれは素晴らしいことなんだと、こっちも考えるようになる」
●「さよならを言うのは少し死ぬことだ」
この辺で止めておきます。
村上春樹の訳は嫌いじゃないけれど、清水俊二の訳がシャープで好きです。メンタルが弱ってる時はチャンドラーをおすすめします。