marthe

♡ 50代主婦の周辺 ♡

レイチェルとゴッホの手紙

レイチェルにはクリスを紹介してもらい、毎週デモレッスンもさせてもらっている。彼女は「無料で日本語を教えてもらえるので気にしないで」と言うけれど。。。本当にかたじけない。


彼女は10年前に心臓発作で夫を亡くしている。ふたりの子供が独立したので今はジョー・バイデン似の新しいパートナーと暮らしている。一緒に食事した時、彼がユニクロの袋を持っていたのが妙に可笑しかった。たぶん私が変なのだと思う。


私は家族を早い段階で亡くしているので家族が寿命を全うしている人に違和感を感じる。良いとか悪いとかではなく。夫がその典型だ。夫の家族は全員長生きで大病もなく明るい。



ゴッホの手紙を読んでいる。ゴッホが読んだ本や暮らしぶりが垣間見れる。南仏から弟へ金の無心が続く。そして律儀に送金する弟。亡くなる1年前の手紙は精神の病のせいか、金の使い方が尋常ではない。必要以上に額縁を買ったりしている。「3週間前から1発3フランの女を買いに行っていない」など赤裸々なことも書かれている。「唯一の心配は弟に金を要求し過ぎることだ」と言いながらその直後にまた50フラン要求している。手紙の最後の「心の中で君の手を握る」の文句が刺さった。ゴッホは握手が好きなようで毎回似たような文言で終わる。当時の常套句だったのかもしれない。刺さった言葉も続くと何も感じなくなる。