marthe

♡ 50代主婦の周辺 ♡

私が変なのか



サドの「悪徳の栄え」ですが、おもしろすぎて時を忘れます。Amazonのレビューで気持ち悪くて断念したとあったので緊張しましたが私は大丈夫みたいです。卑猥な表現が見たことのない漢字2文字で表現されていて、調べるのも大変そうなので適当に推測して読んでいます。サドの獄中生活は38歳以降30年くらい続きます。作品はすべてその間に書かれています。想像を絶する彼の想像力に引き込まれます。ドイツ人やイギリス人ではなく、やっぱりエロいフランスのおやじが書いたという感じが漠然とします。澁澤さんの訳に品があり、昭和時代の粋な日本語に救われている感じがします。エログロなことばかりではありません。極悪非道な男が長い持論を述べている間、主人公のジュリエット以外は居眠りをしていたりとほのぼのした場面もあります。サドの著作の評価は20世紀になって高まり、教養書に位置付けれれているらしいです。高名な作家たちは彼の本をポケットに忍ばせているのだとか。これを読むと益々きれい事を言う自分にストップがかかります。